国宝を訪ねて 国宝建造物編bR

瑞巌寺

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  松嶋や 鶴に身をかれ ほととぎす

曾良(芭蕉)・奥の細道
山号・寺号 青竜山瑞巌寺
所在地 宮城県宮城郡松島町松島
最寄駅・目安時間 新幹線仙台駅・40分
経路 仙石線松島海岸駅下車
国宝建造物 2 本堂・庫裏および廊下
国宝仏等 なし
その他の国宝 なし
お勧め度 ★★★

景勝地松島をにらむ伊達家の菩提寺

  

  
                     国宝本堂

 慈覚大師円仁の創建当時は天台宗に属していたが,その後北条時頼が臨済宗の寺として整備したことから,東北地方最大の禅寺となる。さらに,時を経て伊達政宗が堂宇を建立し,伊達家の菩提寺とした頃から寺運は隆盛を極める。
 名勝松島のすぐ前にあるためか観光客は引きも切らない。そのため禅寺の静寂は望むべくもないが,大勢のツアー客に圧倒されながらも,鬱蒼とした杉木立を見上げたり,参道脇の苔むした岩肌にうがかれた50近い大小の石窟を鑑賞したりしているとやがて本堂に至る。

 国宝の本堂は,桃山建築様式に忠実ではあるが,禅風を重んじるためか外観上の派手さは余り無い。この本堂と,煙出しを備えた重厚感溢れる庫裏とが廊下がつながれているが,これら全てが国宝に指定されている。
 本堂の内部は,桃山の流麗さに伊達の豪華さが加味され,全体として荘厳な趣を蓄えた伊達文化の代表的な遺構となっている。

  
                       国宝廊下

  
                      国宝庫裏

  

         

奥の細道と松島

 芭蕉は全体量僅かな奥の細道の中で,松島・瑞巌寺に関してかなりのページを割いている。
 芭蕉のこの旅の目的が奥州の歌枕,松島,象潟にあったことからすれば,当然の事かも知れないが,瑞巌寺を「金壁荘厳光を輝かし」と言葉で称えてはいるものの,句作の気配はない。生涯の紀行文や句作をみても,芭蕉は,寺にはさして感心がないようである。
 松島にいたっては,美しすぎて「いずれの人か筆をふるい詞を尽くさむ」と感嘆の意を表し,さらに「予は口を閉じて眠らんとしていねられず」とも記し,とても俳句では表現できない,句が浮かばない,との構成になっている。
 そして,曾良の句として表題句があげられてはいるが,この句は,実は芭蕉の作である。
 奥の細道には,随所にこのような作為,あるいは「しかけ」が設えてある。
 奥の細道の原稿が出来上がるには,旅が終わってから実に5年の歳月を要している。芭蕉が練りに練った,凝りに凝った表現や構成が,翁の思い通りに今日でも多くの読者を引きつけてやまない。

 「奥の細道」には沢山の解説書,注釈書があるが,その中でも
講談社学術文庫「おくのほそ道」が手頃でありお薦め。

                   


                             海の寺春の潮の香深し (秋雨)

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