国宝を訪ねて国宝建造物編10−1

久能山東照宮

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山号・寺号 久能山東照宮
所在地 静岡市駿河区根古屋
起点駅・目安時間 新幹線静岡駅から50分
経路 バス日本平下車ロープウエイまたはバス久能山下下車徒歩20分
国宝建造物 1 本殿・石の間・拝殿
国宝仏等 なし
その他の国宝 1 太刀
お勧め度 ★★


  

家康と久能山

家康の霊廟

 家康の遺骸はその遺言により久能山に祀られた。武田信玄の砦のあったこの地に後日二代将軍秀忠が家康を祭神とする東照宮を建立。その後、東照宮は全国各地に広がる。        

権現造の代表作

 本殿は和様を基本としながらも、複雑な軒周りなどを丹念にまとめてある。所々にアクセントのようにかざり金具や彫刻を配して全体を荘厳している。江戸時代初めの建築技術や工芸の技を随所に伝えている。
 戦国から江戸初期にかけての代表的棟梁中井大和守正清の遺構とされるが、中井正清は他に江戸城天守閣、名古屋城、二条城等を手がけている。

東照宮と豊国神社

各地の東照宮 北緯35°

 東照宮は、家康を神として祀る神社であり、家康ゆかりの武将らが好んで各地に招来したことから全国に勧請されているが、その中で著名なものは、日光東照宮とこの久能山東照宮であろう。
 ところで、この東照宮は、家康を東照大権現として神格化し久能山では西面させ、日光では江戸の北東に位置させることにより西国、あるいは江戸、東国を守護せんとするものである。
 興味深いのは、全国に散在する東照宮の内、家康に特に縁の深い愛知県鳳来寺山、愛知県岡崎市の大樹寺、京都南禅寺金地院の各東照宮が、ほぼ北緯35°線上に位置すると言うことである。地図で確認すると34°59′や35°01′内に完全に納まっていてその誤差は、プラスマイナス1キロ以内に収まる。偶然にしては気味が悪いほどできすぎている。
 なお、鳳来寺の東照宮は、家康の母が家康を産むにあたり安産祈願をしたところとして、大樹寺は徳川家の菩提寺であり、金地院は家康のブレーン崇伝の寺である。

秀吉と西方浄土

 さらに興味が湧くのは、神格化し、方位的に建物等を配置することが秀吉の場合にも見られると言うことである。
 秀吉は、死後、京都東山の阿弥陀山に埋葬され、その地に豊国廟が建立され、る。そして、その真西の麓に豊国神社が建てられ、そこで豊国大明神として祀られていた。さらに、その真西の延長線上に、秀吉が西本願寺に与えた地があり西本願寺が建てられ、そこでは本尊すなわち阿弥陀如来が西面して安置されている。
 これらの配置には、神としての再生の道を唱える吉田神道が関係していることがハッキリしているが、この神道は秀吉没後も家康により篤く信奉されている。
 神道と浄土真宗の親近性には疑問があるが、家康の生前の行動や遺言等を総合すると、上記のような東照宮の配置には、このような宗教的な背景をあながち否定出来ないとともに、加えて、家康は、秀吉の墓や豊国神社を破却し、秀吉の狙う西面線上に智積院や東本願寺を配置するなどして、秀吉の再生を妨害していた節がある。

緯度と経度

 日本地図にマス目状に引かれる経線と緯度線。その中でも東経135°と北緯35の二本の線が日本では、何かと話題となるが、これに関連して35という数字が売れない作家伊瀬の取材の先々に用意される。やがてこの数字に異様な執着をみせる和装の美女が殺害されると物語は一気に動き始める。古代史のロマンを推理小説に結びつけた推理界の記念碑的作品に松本清張「Dの複合」(新潮文庫等)がある。
 題名の「D」は緯度、経度の英語表記に「D」が複数回あらわれることからつけられたもの。
 ちなみに日本標準時を規定する明石天文台は、東経135°線上にあるが、この経線と北緯35°の交差するあたりには「日本へそ公園」(兵庫県西脇市)がある。

その他の国宝

太刀

 工芸品太刀1口がある。
 太刀としては刃長1メートル近い非常に大振りのもの。いかにも護身用に傍に置いておきたくなる一振りである。
 久能山東照宮博物館を入るとすぐ右手に展示してある。 

               

                            東照宮博物館

旅程

 久能山へは、山側から入る日本平行きと海沿いを走る久能山下行きの2路線があるバスの利用が一般的だ。しかし、バスの本数は極端に少ない。そこで、時間に合わせて行き帰りに2路線を利用するのがベスト。
 静岡駅構内の案内所でバスの運行表をもらい計画するのが良い。
 なお、日本平からは、ロープウエイに乗り継ぐことになるが、ロープウエイの本数は多く快適である。一方、久能山下からは1000段ほどの階段を上ることになり、一見、大変そうであるが、老若男女を問わず大勢の人が登っているので、特に足に障害等でもないかぎり大丈夫である。
 


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