国宝建造物編36| 山号・寺号・名称 | 厳金山宝巖寺・都久夫須麻神社(つくぶすまじんじゃ) |
| 所在地 | 滋賀県東浅井郡びわ町早崎 |
| 起点駅・目安時間 | 東海道新幹線米原駅・1時間 |
| 経路 | 北陸本線長浜駅下車・長浜港船30分 |
| 国宝建造物 | 2 宝巖寺唐門・都久夫須麻神社本殿 |
| 国宝仏等 | なし |
| その他の国宝 | 1 書跡 |
| お薦め度 | ★★★ |

琵琶湖に浮かぶ竹生島
近江(淡海)の向こうには遠江がある。平安びとにとって,琵琶湖は,近い海であった。では,琵琶湖の北岸はどうだろうか。
交通の未発達な当時,琵琶湖の西岸,北岸辺りですら,遠海であった。
その遠海のさざ波の中に,竹生島(ちくぶしま)が浮かんでいる。周囲およそ2キロの小さな島は,その周りほとんどが急激に湖面に落ち込んでいて,平地は極めて少ない。
島に向かう湖上から竹生島の石段や寺の屋根が見え隠れするようになると,湖水は,深緑の島影をその奥深くに沈め,濃い緑色に変わる。
琵琶湖八景は,「深緑は竹生島の沈影」としている。事実,竹生島の周囲は水深100メートル超と琵琶湖で最も深い。
その海に深い陰を落とす鬱蒼とした森も,今では鵜の大群が占拠し,荒れるにまかされている。その対策として島の一部に森を覆うようにしてロープや網が張り巡らされ,さながら禿げ山のような異様な光景となっている。
その僅かばかりの平地に,宝厳寺と都久夫須麻神社の2棟の国宝建造物が寄り添うように並んでいる。
数ある国宝建造物の中でも,船で探訪するのは,今では他には安芸の宮島・厳島神社(bP03)があるだけである。
竹生島内の社寺群は,およそ3つに分けられる。上から,弁財天本殿,宝厳寺本坊,都久夫須麻神社本殿,観音堂である。最後の都久夫須麻神社本殿,観音堂は船廊下により結ばれ一連の建物になっている。寺と神社が並んでいるのは一見奇異であるが,神仏混淆の時代の名残であり,都久夫須麻神社は,宝厳寺の別当になっている。
このうち国宝建物は,都久夫須麻神社本殿と観音堂入り口に付けられた唐門である。
なお,社務所側では,船廊下や観音堂までも国宝と表示しているので,まさに「注意が必要」だ。
国宝は手前の唐門部分。後方は観音堂

唐門内の蛙股の透かし彫り

内部から見たところ。国宝に御札が貼られている
山の,(崖の?)中腹当たりに建てられている宝厳寺と都久夫須麻神社は,重要文化財の舟底天井渡廊により結ばれている。
文字通り,舟底をひっくり返し天井にした様な造りになっている。


都久夫須麻神社本殿.。幕がなければ,と思うのだが。

都久夫須麻神社本殿内部は極彩色の意匠が至るところに施されている
なお,この宝厳寺からさらに急な石段をのぼると,西国巡礼の30番札所がある。
また、この宝厳寺は,その厳島神社ともう一つ江ノ島弁財天とともに日本三弁財天と称され,昔から多くの信仰を集めている。
弁財天は,河の神,音楽の神として琵琶をかかえる若くて美しい女性のイメージが強いが,あたりの風景からすると,三弁財天の中でもこの竹生島が一番ピタリとくるのではないだろうか。
「平家物語」巻第七に「竹生島詣で」がある。ここでは,この島の美しい風景の中で島の僧の求めにより琵琶の名手である貴公子経正(謡曲では経政)が月夜,琵琶を静かに奏でる場面がある。皆で,その音色に聞き入っていると,やがて誘われるようにして白い龍が現れる。
竹生島へは,京都から湖西線で近江今津駅に出て今津港から船,というルートもある。ここでは米原から北陸本線で長浜駅に出るルートを推奨したい。
湖東三山から国宝彦根城さらに,高月町向源寺の国宝11面観音立像と湖東から湖北にかけては,見所が多い。
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