国宝を訪ねて 国宝建造物編37

東寺(教王護国寺)

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    行先に 都の塔や 秋の空

炭 太祇
山号・寺号 教王護国寺(東寺)
所在地 京都市南区九条町
起点駅・目安時間 京都駅・15分
経路 京都駅・徒歩15分
国宝建造物 5 金堂・五重塔・大師堂・蓮花門・観智院客殿
国宝仏等 8 兜跋毘沙門天立像・五大明王像・五大菩薩座像
  梵天座像,帝釈天半跏像・四天王立像・不動明王座像
  僧形八幡神座像・弘法大師座像(平成12年指定)
  (国宝仏編bV)
その他の国宝 12 両界曼荼羅図他 (その他の国宝編bR1
公開情報 観智院客殿年2回(春と秋)
お薦め度 ★★★★

空海の寺・東密の根本道場

 京都駅でちょっと時間がある時に,歩いても15分ととても便利である。しかし,伽藍の壮大なことから,じっくり回るとなるとゆうに一時間はかかる。しかも,寺内は国宝のオンパレードである。
 桓武天皇は,仏教勢力の強い平城京から離れることも意図して,794年平安京(現京都)を造営し,その際,南の入口に羅城門を置くと共に,東西にそれぞれ東寺,西寺を配置した。

 空海が密教の奥義を携えて帰国するのが,806年。その頃,奈良の仏教界の横暴に悩まされていた朝廷は,それまでの南都六宗による護国を避け,空海のもたらした密教による護国を熱望する。
 さらに,嵯峨天皇は,この東寺を空海に下賜し,空海はここを真言密教の根本道場とする。
 なお,空海の真言密教は,最澄の天台密教「台密」に対し,「東蜜」と呼ばれる。

国宝また国宝・国宝の山

 東寺に一歩はいると,五重塔のスケールの大きさに驚かされる。これほど巨大な五重塔は,他には興福寺の五重塔くらいだろうか。
 古から悠然と大空に聳えたっていたのであろう,古色蒼然としたその風合いは恐らく今が一番よい頃である。晴れ渡った京の天空に,今にも飛び立ちそうだ。

 この塔が影を落とす池の周りからは,五重塔の他に国宝金堂も見える。この金堂も五重塔に負けない雄壮無比の建物だ。
 その金堂横の講堂内には,これも国宝の四天王立像をはじめ五大菩薩像その他国宝仏だけでも計15点が,これでもか,これでもかと言わんばかりに佇立している。
 残念なことには,配置がやや雑と言うか,所狭しと並べられていて,仏像が「おわします」というには,程遠い。あまりに数が多すぎて落ち着きがないのである。もっともこの並べ方には,深い意味がある。
 国宝はこれだけではない。他に,弘法大師の大師堂,さらに,一旦,南門から外に出てぐるりと境内を四分の一周ほどして,外から眺める蓮華門,と続く。

国宝金堂
巨大な建造物である
軒廻りも重厚感溢れるものとなっている
国宝五重塔
新幹線の車窓からお馴染みの塔である。
美しい池に影が落ちる
国宝太子堂
驚くほど静かである
国宝蓮花門
羅城門方面からから五重塔を望む

炭太祇(たんたいぎ)

 表題句は,蕪村と同時期に活躍した太祇の句の一つである。ところで,ここで詠まれた塔とは,どこの塔のことであろうか?
 その頃の都の塔と言えば,この五重塔の他には八坂の塔,仁和寺の塔,醍醐寺の塔などが思い浮かぶが,句の勢いからすると,遠くから都に向い歩いてきて,この大塔が目に入った,塔は秋の澄み切った天空に突き刺さっている,その様を詠んだものであろう。
 そうなると,都の中心と言うよりは都の入口辺りに佇立する塔と考えるの自然であり,事実,東寺の五重塔と解する立場が多い。

春と秋の観智院

  こちらむけ 我もさびしき 秋の暮

芭蕉・笈日記

 東寺の国宝鑑賞は,これでは終わらない。東寺にはまだ隣接する塔頭「観智院」に国宝客殿がある。もっとも,この客殿は,春と秋の宝物特別展の開催時にしか公開されていないので注意が必要だ。
 チェックの上,この時期に訪れると,国宝建築物5件の他,国宝仏7件,その他の国宝美術品12件計24件の大部分が鑑賞できることになる。
 
 上の句は,観智院の僧・北向雲竹の後ろ向き自画像に対する芭蕉の画賛句である。雲竹は芭蕉の書の師匠とも言われている高僧。

観智院客殿
観智院客殿の前庭
      観智院客殿                  周囲にゆとりがなく撮影のための距離がとれない。

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