国宝を訪ねて 国宝建造物編38

西本願寺

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山号・寺号 本願寺
所在地 京都市下京区堀川通花屋町
起点駅・目安時間 京都駅・15分
経路 京都駅・徒歩15分
国宝建造物 7 唐門・北能舞台・書院・黒書院及伝廊・飛雲閣阿弥陀堂・御影堂
国宝仏等 なし
その他の国宝 5(絵画1・書跡4)
公開制限等 飛雲閣は非公開だが、その他の国宝建造物については、春の特別公開にて観覧可能。
お薦め度 ★★★

7件の国宝建造物

 京都駅で時間がある時に便利。歩いても15分程度,とても近い。
 この本願寺には,聚楽第の他,伏見城から能舞台の国宝北能舞台や大書院,唐門等が移築されている。但し,その真偽のほどは明かではない。

 

唐門

 北小路通に面して立つ。一日中,見ていても飽きないほど華麗なことから,別名「日暮の門」と呼ばれる。ちなみに,一般道に面しているので,外側半分は,何時でも見られる。写真は境内から撮影したもの。

北能舞台

 現存する最古の能舞台として唯一の国宝指定である。1581年に建てられ,そのことは懸魚(げぎょ)の墨書銘からわかる。後座,橋掛かりを備えた典型的な能舞台である。

書院(対面所及び白書院)

 対面所は,鴻の間と呼ばれ,真宗の本堂と同様の造りで約200畳の接見の間。白書院は控の間と考えられるが,北能舞台の向にあり,観客席の役割も果たしていた。

黒書院及伝廊

 白書院の北側にある瀟洒な造りの書院。白書院とは東西2本の伝廊下で結ばれている。

謎の飛雲閣

 非公開の建物として,飛雲閣がある。聚楽第の遺構とも伏見城からの移築とも,あるいはまた、現地での新築とも伝えられる謎に満ちた建物。金閣,銀閣とともに「京の三閣」とも呼ばれる。京都検定にでるかも?

阿弥陀堂

 2014年に新たに国宝に指定された江戸時代の建造物。

御影堂

2014年に新たに国宝に指定さtれた江戸時代の建造物。

彷徨える大教団

 浄土真宗の宗祖は,言うまでもなく「親鸞」であるが,そのもとを辿れば,最澄の教えを汲む法然が,大衆の救済を唱えて,それまでの貴族その他一部の特権階級のための仏教を庶民にも享受できるように浄土宗を開いたことから始まる。

 法然の弟子親鸞は,その教えをさらに徹底し,特に修行などをしなくとも,ただ念仏を唱える(専修念仏)だけで,浄土に迎えられるとした。
 財産も学問も,また修行の時間もない大衆に浄土への道の可能性を示すこの教えは,その教義がすこぶる簡単明瞭なことから,次第に信者を増やしていった。
 しかし,信者が急増したことから,時の権力者がこの教団を危険視したのは当然であった。
 法然と親鸞は,死罪こそ免れたものの,流罪の憂き目をみ,ここから流浪の教団の歴史が始まることになる。

中興の祖・蓮如

 浄土真宗を現在のような強大な団体の基礎を築くのに大いに貢献した者として,「蓮如」の名をあげねばならない。
 蓮如は,親鸞を祀る東山大谷の本願寺(現,本願寺祖廟)の8代宗主であったが御文(おふみ)と呼ばれる平易な文章(手紙)を,庶民や悪党を含めた社会の底辺に希望もなく彷徨う人々に示すことにより,救済の手をさしのべ,次第に門徒を増やしていった。
 その勢力の強大を恐れた仏教界その他の既存勢力は,彼の弾圧に乗り出すが,蓮如は,その都度,近江の堅田,越前の吉崎(現福井県坂井郡丸岡町付近)と難を逃れて京都に戻り山科本願寺を建立する。しかし,そこも奇襲を受け,現在大阪城のある石山に活動拠点を移す。これが石山本願寺である。

石山戦争

 信長とのいわゆる石山本願寺合戦は,11代の「顕如」の時に10年にも及ぶ闘争に発展する。しかし,大阪湾を臨む高台にある石山は,政治経済あらゆる面で絶好のポジションであり,この要所を支配したい信長の執念が,教団に勝ることになる。

 石山を追われた顕如は,秀吉が京都七条に土地を寄進し本願寺が再興されるまでの間,和歌山,和泉貝塚,大坂天満等を転々とすることになる。
 京都七条の本願寺に漸く落ち着いたかに見えたが,江戸時代に入り教団の勢力増大を恐れた家康は,本願寺の東に土地を寄進し,本願寺を西と東に分裂させ,現在に至る。

蓮如と五木寛之

 これらの事実は,信者の結束力と浄土真宗の教団としての魅力を改めて印象付けるもので,浄土真宗は,戦国時代の権力者の懐柔と強行,弾圧に対抗あるいは翻弄され,しかし,信長,秀吉,家康と時代の英傑と対等に渡り合ってきた希有な仏徒集団であり,これほど,興味深い宗教集団は,日本には他にない。

 そのため多くの作家が筆を運んでいるが,中でも五木寛之の蓮如三部作が面白い。
 五木寛之「蓮如物語」(角川文庫)は,童話風にしたためられていて,一気に読める。
 また,「蓮如−我深き淵より」(中公文庫)は,戯曲作ではあるが,まるで舞台を見ているような臨場感溢れる傑作である。
 蓮如(岩波新書)も,これまでにない切り口で,魅力溢れる人間蓮如が解き明かされている。

その他の国宝

絵画1件

 余りにも本人をリアルに描写していることから「鏡御影」と呼ばれる親鸞上人の「似絵」。専阿弥陀仏の作品であるとの覚如の墨書がある。ちなみに専阿弥陀仏とは似絵の大家藤原信実の子。

書跡4件

 36人家集,熊野懐紙,阿弥陀経註,観無量寿教註の4件が国宝に指定されている。

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