国宝を訪ねて 国宝建造物編45

東福寺

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山号・寺号 恵日山東福寺
所在地 京都市東山区本町
起点駅・目安時間 京都駅・20分
経路 JR奈良線東福寺下車 徒歩10分
国宝建造物 2 三門・龍吟庵方丈
国宝仏等 なし
その他の国宝 5 
公開制限等 特別公開 京都非公開文化財特別拝観をクリック
お薦め度 ★★★

渓谷から山門へ

 京阪線とJRの東福寺駅の前の道路は狭く車の往来も多いことから,ガードを潜りすぐ左折するのが良い。赤十字病院のすぐ裏から寺院の門が見え始めるが,どの辺りから東福寺の時域にはいるのか分からない。そうこうしているうちに峡谷に跨る橋に出る。かの通天橋かと思いきや,そうではない。その左手に見える遠くの橋が通天橋だ。

京都の紅葉名所ナンバー1の誉れ高い通天橋

国宝三門

 その通天橋を横目にすすむと白砂の境内に出る。ここから東福寺だ。
 境内は洛南にあって,しかし,さながら深山幽谷の趣がある。背後に聳える深く高い山に負けないだけの広い寺域と堂々たる伽藍が構築されている。
 正面に巨大な本堂がありどうしてもそこに目がいくがこれは国宝ではない。
 国宝はその右手の三門だ。三間の柱間がある堂々たる門だ。

 なお,この三門には国宝の標示がないので注意しなければならない。例の茶色の標示はあるにはあるが,入り口あたりにあり,しかも「重要文化財,国宝,東福寺」となっていて,まるで全山が国宝のようである。
 このような不適切な標示はここにとどまらないが,いずれにしても東福寺内の国宝建物は,この三門と塔頭の竜吟庵方丈である。 

国宝三門
大仏様の典型的な建物

紅葉の名所・通天橋

 三門を堪能した後は通天橋に向かう。東福寺は京都屈指の紅葉の名所であり全山いたるところが撮影スポットであるが,中でも,通天橋からの眺めは極上だ。 落ち込む谷を追うようにして楓が群生し,他にも急峻な渓肌に根を張った木々が朱色に染まった眺めは例えようがない。その上流には更に橋が架けられているのが見える。龍吟庵方丈に向かう橋だ。

もう一つの国宝・龍吟庵

   

 東福寺は沢山の塔頭に囲まれているがその中の一つに龍吟庵がある。その方丈が国宝指定を受けている。この庵は非公開であるので,著名な庭園とともに春と秋の公開日を待たねばならない。
 東福寺の伽藍の間を案内に従い抜けると,正面に檜皮葺の方丈の屋根が見えるようになる。普段見られるのはこの屋根までであり,重文の門が閉ざされているので,その隙間から覗くことになるが,蔀戸の一部が見えるだけである。

通天橋の一つ隣の橋。龍吟庵へはこの橋を渡って行く。
方丈の屋根だけが見える。特別公開日まで待たねばならない。

臨済宗と曹洞宗

 東福寺は,奈良の東大寺と興福寺から一字ずついただいたと言われるようにその名前からして由緒があり,京都五山のひとつに列せられる。

 京都五山とは,別格南禅寺の他に順に,天竜寺,相国寺,建仁寺,東福寺,万寿寺と,いずれも臨済宗の寺々が名を連ねる。
 臨済宗は,言うまでもなく栄西の開祖になる禅宗三派の一つであるが,なぜか,京都は臨済宗の寺が多く,曹洞宗の寺院はほとんど無い。
 全国的にみても,曹洞宗寺院の約一万五千に対し,臨済宗は約五千といわれ数の上では圧倒的に曹洞宗寺院の方が多いが,京都に名だたる寺院の大半は鎌倉,室町幕府の帰依を取り付けた臨済宗であり,曹洞宗寺院は皆無といってよい。
 曹洞宗の開祖道元は,栄西の弟子であるが,時間的にも栄西よりは大分遅れて世に出ることになる。
 その教義も専ら禅に打ち込む「只管打坐」を唱え,文化的な要素は少なかった。 また,道元は福井県の永平寺に,もう一人曹洞宗の流布に貢献した道元の弟子「太祖蛍山」も石川県輪島の総持寺(現,鶴見総持寺)に,と人里離れた辺鄙な深山を活動の拠点とした等の事情から,幕府と折り合いがつくことはなかった。

 それはともかく京都五山は禅文化の他,五山文学と呼ばれる独自の文化を創り出した。臨済宗は,また,妙心寺退蔵院所蔵の如拙作「瓢鯰図」(ひょうたんなまず)に風刺されるような「公案」と呼ばれる禅問答が特徴の一つに数えられ,天台宗や様々な公家文化との融合を試みている。

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