国宝建造物編96
| 山号・寺号 | 法華山一乗寺 |
| 所在 | 兵庫県加西市坂本町 |
| 起点駅・目安時間 | 姫路駅・3時間 レンタカーの場合1時間 |
| 経路 | 姫路駅からバス,但し一日に3本 |
| 国宝建造物 | 1 三重塔 |
| 国宝彫刻等 | なし |
| その他の国宝 | 1 絵画(観覧不可) |
| 公開情報 | 現在本堂を改修中(平成19年末までの予定) |
| お薦め度 | ★★ |
紫雲にのって中国からやって来た伝説の僧,法道仙人。この一乗寺はその仙人の開基の一つであるが,この仙人には様々な超能力伝説が残っている。
その一つに,山上の寺から眼下の瀬戸内海を通る船に鉢を飛ばし,船主にいくばくかの喜捨を求めたところ,拒まれる。仕方なしに鉢を戻したところ,船から勝手に米俵がその鉢の後を追ってついてきて寺に山積された,というものがある。
密教呪術に対する庶民の憧れがこの話を生んだのだろうが,実はこの仙人相当人気があるようで,播磨一帯に60あまり,少し範囲を広げると100にも達する寺がこの仙人を開祖と伝えているという。
役行者のような役回りであることやその年代,時代からすると全国各地で盛んとなった山岳密教の行者集団がこの一乗寺を中心に活動し,その結果,その集団が崇める法道上人を開基とする寺院が沢山建立されたと考えられる。
国宝三重塔は岩盤を削りだした亀腹の上にその優美な姿を乗せている。階段を少し上ると大きな相輪,そして三層の深い軒が眼に入り,やがて全容が明らかになる。
屋根の反りが美しい。塔は,急斜面の僅かな平地に岩盤を見い出し背後の本堂の位置を計算して建てられている。ただ,改修中の本堂に掛けられた覆いが気になるが,しばらくの辛抱だ。
伽藍の多く,殊に塔は上方から見下ろすと一段と美しい。ここ一乗寺の三重塔はこれが可能な数少ない塔の一つであるだけに,本堂の崖に迫り出した舞台からから見下ろした姿が見られる平成20年以降に,もう一度訪れたい。
日溜まりの崖に微睡む(まどろむ)三重塔 (秋雨)
| 石段の下から見上げる。 | |
| 本堂は改築中であり,工事のための板囲いのためこれより上方から眺めることはできない。 | |
近くには日本最古の石仏が安置される古法華自然公園がある。しかし,なぜか石仏というのに収蔵庫の中に大切にしまってある。
それも,それまで奈良の博物館に寄託され公開されていたものをわざわざ郷土の誇りとばかりに返還を受け,ご丁寧にも収蔵庫にしまい込んだようだ。
絵画や書跡ならともかく,野ざらしにしないまでも石仏は公開しないのはおかしいのではないか。
この石仏を記念して小高い山の中腹に公園を造り,新作の羅漢さんや地蔵が並べられていてなかなかよいところ。
それだけに,せっかく行ってもメインの石仏にご対面できないのは残念である。
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