国宝建造物編99| 名称 | 姫路城 |
| 所在 | 兵庫県姫路市本町 |
| 起点駅・目安時間 | 姫路駅・15分 |
| 経路 | 駅から徒歩もしくはバス |
| 国宝建造物 | 5 大天守・西,乾,東の各小天守・イロハニ櫓等 |
| 国宝彫刻等 | なし |
| その他の国宝 | なし |
| お薦め度 | ★★★★★ |

別名「白鷺城」とよばれるその華麗で優雅な姿は,新幹線の車窓からもお馴染みの景色。しかし,近くで見ると,その流麗さにしばし,感嘆の声もでない。そばに寄るほど,その壮大でしかも威厳に満ちた美しさに圧倒される。
お堀越しに全景をみても,下から5層の屋根の重なりを見ても,どこから見ても,ため息の連続である。
日本に数ある城郭の中で,美しさの余り驚愕の声があがるのは,恐らく,この城だけであろう。.さすがに,世界遺産だけのことはある。
| かくも美しくそして力強い建物が日本に存在したとの驚きと喜びを禁じ得ない。 | |
| 石組みにも最新のそして最強の技術が組み込まれたことだろう。 | |
姫路城は,城主が幾度か入れ替わり,修繕,改築等が繰り返されたが,現在の姿になったのは池田t輝正の代になってからのことだ。その改築の際に現在の美観がほぼ整ったようだ。
この城の比類無き美しさは,石垣のベージュ,塗り壁のホワイト,甍のブラックと言った色彩のコントラストばかりではない。
南に大天守を配し,東に東小天守,北に乾小天守,西に西小天守をそれぞれ置き,四角形のような配置とし,大天守と東小天守の間をイの渡櫓,同様に東小天守と乾小天守の間をロの渡櫓が,乾小天守と西小天守の間をハの渡櫓が,西小天守と
大天守の間をニの渡櫓が回廊のように結んでいる。
上空から観ると,まるでホームベースだけを大きくした野球のダイヤモンドの様な形である。
この4つの天守群からなる城郭造形が,複雑さを作り出すと共にどの角度から観ても新鮮で飽きさせない美しさを醸し出す。
泉鏡花「天守物語」(岩波文庫)は,ここの最上層に棲む美しい姫達の暮らしぶりを描く,鏡花お得意の妖怪ものであるが,この本は,必ず読んでから登城すべきである。彼女?達の住む第5層に近づくに従って,物語の様々な場面が思い出される。ただし,現在の天守は開放されていてとても明るいので眼を凝らさないと姫達の姿は見えないだろう。
柱の陰にスーと隠れた姫達の後ろ姿を見た,ような気がした。
なお,城内には「お菊の井戸」と呼ばれる古井戸の跡がある。あの,「一枚〜,2枚〜の」お菊である。と,言うとそれは「番町更屋敷」の間違いだろうと言われそうであるが,ここ播州更屋敷が本家。
似たような話は,高知,松江,五島列島等にも残されていて,歌舞伎等で一番著名になったが「番町」であろう。
ちなみにストーリーは,ひょんなことからお家乗っ取りの画策を知ったお菊が殿様に報告,その結果事なきを得るが,首謀者の家老がお菊に逆恨みし,お菊が管理する皿を一枚棄ててしまい,枚数が足りないと責める,といったもの。
一首は,都から播磨の地に赴任し任を終えて都へ帰る男との別れを惜しむ歌である。
女は男との間に絶等寸山(たゆらぎさん)の桜にまつわる思い出があったのだろうか。
絶等寸山の桜が咲く頃には,思慕の情が強くなる,そんな意味であろう。
ただ,この絶等寸山がどの山をいうのかハッキリしない。題詞に石川大夫と播磨娘子,とあることから播磨国府付近の丘陵ではないかと考えられ,現在の姫路城あたりがそうではないか,との説が有力である。
姫路でまだ時間がある,という場合は駅から1時間で行ける性空上人開基の書写山円教寺がお薦め。
円教寺は[西の延暦寺」と呼ばれる密教色の濃い寺であり,その開祖性空上人については江口の遊女との話が有名である。
生身の観音菩薩に逢いたいと願う上人にある日,大坂淀川の江口にいる遊女がそうだとのお告げがある。さっそく尋ねていって行って願いをかなえるという,すこぶる都合の良い話。
淀川の河口に広がった町,江口。その江口で生業を遊女に求めた女には,他に西行にまつわる話もある。
一夜の宿を求めた西行に,ここは遊楽街,仏道を求める僧には貸す宿はないと応え,宿泊を拒絶するというもの。
謡曲「江口」は,性空上人とこの西行の逸話を合わせて作られている。
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