国宝を訪ねて国宝建造物編110

瑠璃光寺

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山号・寺号 瑠璃光寺(るりこうじ)
所在 山口市香山町
起点駅・目安時間 新山口駅・1時間
経路 JR山口駅からバス10分徒歩
国宝建造物 1 五重塔
国宝彫刻等 なし
その他の国宝 なし
お薦め度 ★★★★★

庇に雪を載せた国宝・瑠璃光寺五重塔

山口の小京都

 小京都山口きっての古刹。京都の浄瑠璃寺同様,その名に惹かれて,ここを訪れる人も多いと思われるが,期待を裏切られることは決してない。
 寺は,山口市内を見渡せる小高い山の中腹に開かれていて,そのシンボル五重塔は,緑の木々に囲まれ控えめに佇立する。
 五層の檜皮葺の屋根に結晶した露が朝日を浴びる頃もよいが,やはり,塔は夕日であろう。
 奈良,京都で見られる大塔は,天空に少しでも近づきたいという,人間の欲望を形にしたように見えるが,この塔は少し違う。
 西方にあるという浄土を,背伸びをし憧れを持って立ちつくし見つめている。
 その姿に,夕日が燦々と降り注ぐ。流麗な五層の曲線を描く屋根が西日を照り返す。
 夕日の中で,母を待つ子のように佇むその姿は市内の至る所から眺めることができる。
 市内からはザビエル記念館のある「亀山公園」から眺めるのがベスト。


どこからみても見る者を魅了する

中也のふるさと湯田温泉

 この小京都山口といえば,中原中也の故郷である。河上徹太郎編「中原中也詩集」(角川文庫)は,読みやすく旅の友には最適である。
 中也記念館は,瑠璃光寺からもさして遠くない湯田温泉の中にある。

山頭火のふるさと

 また,山口は,放浪の俳人,山頭火の故郷でもある。そのため,彼の足跡は県内の至るところに残されている。
 壮絶な乞食道を実践した山頭火は,友人,知人が用意してくれる庵をも拒否し,放浪に放浪を重ね,その病的ともいえる放浪癖は,終生おさまることがなかった。

 西行,芭蕉に憧れ,そのままに行動する彼は,旅には,何も求めず,彷徨の果てにも何も掴もうとはしない。
 行乞を重ねる彼の躰には,農耕民族の血は微塵も流れていない。定住をまるで異国の民の風習と考える生来のジプシーのようである。

 しかし,山頭火の俳句には,のんびりとした中にハッと眼を醒まされ,そして心温まるものが多い。

分け入っても分け入っても青い山(山頭火)
 うしろすがたのしぐれてゆくか(山頭火)
 まったく雲がない笠をぬぎ(山頭火)
 笠へぽつりと椿だった(山頭火)

 かれの生き様そのもののように,俳句の伝統,形式にとらわれることのない自由,奔放な律詩である。

山口の国宝等

 近くには,毛利博物館がある。
 また阿弥陀寺には,国宝鉄宝塔等がある。

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