国宝建造物編115| 山号・寺号 | 石手寺 |
| 所在 | 松山市石手 |
| 起点駅・目安時間 | JR松山駅・40分 |
| 経路 | JR松山駅からバス |
| 国宝建造物 | 1 二王門 |
| 国宝彫刻等 | なし |
| その他の国宝 | なし |
| お薦め度 | ★★ |
道後温泉本館から車で5分ほど走ると石手寺に到着する。四国88カ所の51番札所だが,道後温泉に近いためか観光客が大半で,お遍路さんの姿はあまりない。
観光客で賑わうだけあって土産物屋がずらりと並んでいる。しかし,そこは門前町ではなく,既に境内のようである。
境内の屋根付き通路の両脇にお土産物屋が間借りしているようなミニ門前町のようである。このおもしろい光景の中を通り抜けるとすぐに国宝二王門が現れる。
なるほど,がっしりとしたいい構えをしている。門の二脚にそれぞれ設えられた室の中には眼光鋭い仁王様が収まっている。そして,まるで仁王の飛び出しを防ぐかのように金網が覆ってあるが,一部破れている。
門の二つの脚の内側には,実に大きな藁草鞋が掛けられている。この草履の意味するものは良く分からないが,国宝二王門の周りでは怪しげな商売人の夫婦や所在なげな地元の人と思しき老人達がたむろしたりして,通り過ぎる観光客の品定めをしている。
この門を国宝と理解している人は全くいないようである。
| 土産物屋が並んでいる。この先から石手寺の境内がはじまる。 | |
| 土産物屋の先に化粧まわしの様なモノを付けられた国宝二王門 | |
| 門の廻りにはいろいろなモノが雑然と置かれている。国宝をありがたがったり,自慢してお高くとまる等ということとは無縁だ。 | |
| 商売用の看板が立て掛けられた国宝には初めてお目に掛かった。 | |
| 正面右側の仁王と左右に掛けられている大草鞋。 |
この寺には,「三郎遍路伝説」がある。
大師に対する非礼を詫びるため大師を訪ね数度の巡礼をするが,息を引き取る間際にやっとのことで大師と巡り会った三郎は,大師から「何か望みを」と聴かれると,「次は国司の家に生まれたい」といって息を引き取る。
大師は小石を拾い「三郎再来」と記し,それを握らせて手厚く葬る。翌年,国司の家に子供が生まれるが,大きくなっても手を握ったままであった。そこで,困惑した国司が,とある寺の僧に祈祷をあげてもらうと,子供の手が開き中から,「三郎再来」と記した小石がでてきた,というもの。
その後,このとある寺は「石手寺」と名を変える。
もっとも,この伝承には様々なバリエーションがあり,語る人により内容はかなり異なっている。しかし、いずれにしても大師を崇める話となっていて空海の人気の程がうかがえる。
松山といえば,道後温泉と「坊ちゃん」。日本で一番有名な小説ではないかと思われるこの小説,さすがにテンポが良く,内容も痛快。
ユニークな登場人物の性格描写も適切で一気に読ませる小説のお手本のような作品である。
いろいろなところから出版されているが,中でも集英社文庫には,うらなり,山嵐,野だいこ,と目される人の写真も載っているのでお薦め。
ところで最近,「坊ちゃん」を読み直してみたが,坊ちゃんの中からは「松山」が舞台であることは全く出てこない。舞台が松山だとの根拠は,漱石が松山に英語教師として赴任していたこと,電車に乗って風呂に入りに行くのだから,道後温泉に違いない,と言う程度である。
漱石は,読む者が楽しめるように,歯に衣着せぬ語り口で,その町の人々をおおらかな表現で描写しているので,松山の地名を出すことをためらったと思われる。
| 道後温泉本館。一番風呂から混雑している。 | |
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