国宝仏編№10
| 山号 | 大悲山法性寺(ほつしょうじ) |
| 所在地 | 京都市東山区本町 |
| 最寄駅・目安時間 | 新幹線京都駅から20分 |
| 経路 | JR・京阪東福寺下車徒歩3分 |
| 国宝仏 | 千手観音立像 1件1軀 |
| 国宝建造物 | なし |
| その他の国宝 | なし |
| 秘仏・公開 | 事前申請が必要 |

| 仏像名 | 安置場所 | 備考 |
| 千手観音立像 | 本堂 | 1軀 |
藤原忠平が建立した法性寺は,藤原氏の隆盛と共に寺域も拡大,結構も近在に比類なきほどの大寺でした。
関白藤原忠通が,この寺に入り「法性寺殿」と呼ばれるなど,当時の隆盛は想像を超えるものがあります。現在の清水寺や大徳寺ぐらいの寺だったようです。しかし,その後藤原氏の没落と共に衰退の一途を辿ることになりました。
現在はとても小さな尼寺となり,当時の面影は全くありません。しかし,大寺としての矜持は現在でも伝えられ,小柄なあんじゅさまが凛として寺を護っていて時代に媚びることはありません。
法性寺笠と呼ばれる笠があります。今は造られることすらありませんが,竹の骨を円錐状にして周囲を竹の皮で覆い,仕上げに頂上辺りを糸で括った笠のことです。 松や栴檀の大木が群生していたこの辺りでは,雨露がしきりに滴り落ちてきたことから,それを避けようとこれも付近に群生していた竹を材料にこのような笠が考案されました。手軽で安価だったことから重宝され,この辺りの名物になりました。やがてその素朴さが茶人のお気に入りとなり,露地をつたうときの雨よけにも用いられるようになりました。
本尊千手観音は春日の作で旧法性寺創建時の遺仏であると考えられています。
この観音様は,手は42臂とまずまず普通ですが,顔が,本面の他に左右の耳の辺りに忿怒面と菩薩面を有し、頭上に菩薩面23と大笑面1の計24面を2段に分けて配し,さらにその頂上に仏面1面と計28面を有する異形の像として著名です。
千手観音の頭上に並べられる顔の数は、11面、500面等色々ありますが、胎蔵界曼荼羅図では27面となっていることから,この数に一致させようとしたのかも知れません。
立像ですが,像高は110センチと小柄です。桜の一木から頭部,体部を彫り出しています。
伏見街道に西面していますが,見つけるのに苦労します。東福寺の駅を降りて伏見街道に出ます。
右に折れて,すなわち伏見街道を南に向かい九条通(東大路通)のガードをくぐります。それを通過ししばらくすると,交番の手前に寺の入り口がありますが,それは東福寺の北門への入口です。そちらに迷い込まないようにして交番の前をそのまま南に向かってすすみます。道がややせまくなり左に少し傾くそのあたりに,入口があります。
狭い伏見街道の往来を気にしながらインターホンで案内を乞います。民家のような潜り戸を入ると直ぐに本堂です。仄かな灯りの中で観音が佇んでいます。あんじゅさんが,詳しく説明をしてくれます。観音様と同じくくらい小柄なあんじゅさんです。見学の後,拝観料を訊ねると,志をいただいております,とのこと。
一般公開すれば,東福寺に近いことから,拝観者も多いでしょうに,と水を向けたところ,先代の意志を受け継いでいます,と誇らしげにお答えくださいました。
とてもさわやかな寺です。
くれぐれも,事前申請をお忘れ無く。
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