国宝仏編№21

国宝を訪ねて

平等院




   

平等院案内

山号・寺号 朝日山平等院
所在地 京都府宇治市蓮華
最寄駅・目安時間 新幹線京都駅から60分
経路 JR奈良線宇治駅or京阪宇治線宇治駅下車徒歩各10分
国宝建造物  1(国宝建造物編№57) 
国宝仏 阿弥陀如来座像等 3件53軀1具
その他の国宝 3 絵画・工芸品(梵鐘等) (その他の国宝編№41
秘仏・公開 雲中供養菩薩像の一部は,平等院ミュージアム鳳翔館に展示

平等院の国宝仏2件国宝彫刻1件

仏像名 安置場所 備考
阿弥陀如来座像 鳳凰堂 1軀
雲中供養菩薩像 52軀
天蓋 1具

平等院の歴史

 もとは,藤原道長,頼道の別荘であったものを永承7年(1052)に仏寺とし平等院と号するようになります。この永承7年は,当時の人々に末法元年にあたると信じられていました。
 なお,現在,平等院は特定の宗派に属さない,いわゆる単立寺院として存立しています。

末法思想・正法・像法・末法

 末法思想とは,仏教の歴史観の一つで,釈迦の没後1000年はその教えが正しく伝えられるとし,それを正法といい,つづく1000年は釈迦の教えが形だけは受け入れられるとし,像法,その後は,末法として仏の教えは守られなくなり世の中が乱れるようになる,とするものです。
 しかし,釈迦の没年には,50以上の説があり,また,三法の単位についても500年とか1万年とか,様々な説があることから,果たして何時から末法の時代が到来するのか,したのかはハッキリしていません。
 なお,この思想が浄土教の教えを広め鎌倉時代の新仏教の隆盛を促す働きをすることになったことは間違いありません。 

鳳凰堂の諸尊等

 平成の大修理も終わり,国宝阿弥陀如来座像,天蓋や光背は,これまでどおり鑑賞できます。
 なお,雲中供養菩薩像は鳳凰堂中堂の他,平等院ミュージアム鳳翔館でも見ることができます。 

阿弥陀如来坐像

 国宝阿弥陀如来は定朝の作として確定できる唯一のものと言われています。面相はゆったりとしていて、肩から胸にかけての丸みが際だっています。八重の蓮華座の上に座っています。
 頬を丸く張った顔の中で眉は大きく弧を描いていますが,その眼は,伏し目がちでどことなく物憂い表情です。しかし,堂々とした風格と均整のとれた姿,また,身体を覆う薄い衣の作り出す漣のような衣文は,技巧的にも完成の域にあると言えます。 

飛天光

 阿弥陀如来の光背は,頭の回りから発せられる「頭光」と体から発せられる「身光」に分けられる2重円光からなっています。そしてその回りを炎あるいは舟の舳先のように上に伸びる板を透かし彫りが飾っていますが,この阿弥陀如来坐像の光背は,その透かし彫りの所々に飛天を付けることから,特に「飛天光」と呼ばれています。

定朝様と寄木造り

 平安時代の中頃は,朝鮮半島や中国からの影響が徐々に除かれて国風文化と呼ばれる貴族文化が花開きます。この和様化を色濃くする貴族文化は,やがて成熟期を迎えますが,それには,遣唐使の廃止が大きく影響しました。それまでの外国文化至上主義とでも呼ぶべき風潮が無くなり始めたのです。
 仏像製作においても,それまでの朝鮮,中国,遠くインド等からの直接間接の影響が,作風や技術の両面において取り除かれるようになります。

 そのような諸外国からの影響を脱して穏和で優美な独自の風合いを醸し出す作風は,当時の代表的な仏師定朝の名をとって定朝様(式)と呼ばれ全国的に広まりました。国風文化のいわば仏像製作版です。
 
 その定朝は寄木造りの完成者としても知られています。
 平安時代の中頃になると寄木造りは,それまで主力だった一木造りに代わり盛んに用いられるようになります。その特徴は何と言っても,それまでの一木造りが木の太さ以上の仏像を作ることが不可能であったことに比べ,それと関係なく大きな仏像が製作できることなったことでしょう。
 また,ひび割れを防ぐための内刳りも,一木造りに比べ簡単で済みます。さらに分業や現地組み立ても容易となり,それまでの製作課程が一変しました。
 

雲中供養菩薩像

 天蓋の長押に掛けられるように造られているため,浮き彫りの様になっています。いずれも雲上の蓮華座の上で踊ったり楽器を奏でたりして,如来を讃え崇めたりする姿が描かれています。50センチ四方程度の小さなものですが,一つ一つが愛らしい表情を浮かべています。損傷が激しく後補が多のですが,全52軀のうち51軀が国宝に指定されていましたが,残り1軀も平成20年に国宝に指定されました。
 御仏を荘厳する52躯の雲上菩薩たち,たおやかな表情で西方浄土に流れる天空の雅楽をつま弾いています。目を閉じ耳を澄ますと,その音色が聞こえてきます。さらに耳を凝らすと浄土に舞う迦陵頻伽(がりょうびんが)の羽音も聞こえてくるようです。
 なお,雲上菩薩の一部は,平等院ミュージアム鳳翔館に展示されています。

天蓋

 長方形の箱形天蓋と円形の丸形天蓋の二つの天蓋が組み合わされています。方形天蓋の周囲には,仏教における想像上の植物である宝相華唐草をかたどった文様で埋め尽くされています。
 なお,天蓋は,国宝の分類上,彫刻に振り分けられています。

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