国宝仏編№22
| 山号 | 普門山蟹満寺 |
| 所在地 | 京都府相楽郡山城町 |
| 最寄駅・目安時間 | 新幹線京都駅から1時間10分 |
| 経路 | JR奈良線棚倉駅下車徒歩20分 |
| 国宝仏 | 釈迦如来座像 1件1軀 |
| 国宝建造物 | なし |
| その他の国宝 | なし |
| 秘仏・公開 | 公開 |
| 仏像名 | 安置場所 | 備考 |
| 釈迦如来座像 | 本堂 | 1軀 |
真言宗智山派の寺院です。行基が開基とも,帰化人の創建とも言われていてハッキリしません。
紙幡寺とも称されてもいます。
この寺の名の由来については様々な説明がなされています。
その一つに,法華経普門品の観音信仰と蟹,蛇伝記と結びついた話があります。バリエーションはありますが,「今昔物語」にも登場する話もまとめると,こうなります。
「観音様を深く信仰していた村の娘が,ある時,捕らわれた蟹をお金を払って助けてやる。そんな娘の父親も観音信仰に篤く,蛙が蛇に飲まれるのを見て,蛇に対し娘を嫁にやるから蛙を助けてやってくれ,と言ってしまう。
真に受けた蛇は,そのとおりにし,その後,姿を変え娘に求婚するが娘は困惑する。そこをかつて娘に助けられた蟹が群れをなして蛇を殺して娘に恩返しをする。」
今昔物語では,蟹満多寺と記されています。
本堂須弥壇に安置される丈六の銅造坐像です。像高も240センチあります。同じく銅製の山田寺仏頭(現,興福寺所蔵),薬師寺の薬師如来と並び称される逸品ですが,殊に薬師寺の薬師如来にはよく似ています。
もっとも外形的には,薬師寺の薬師如来が端正で均整がとれているのと比較すると,頭部は大きく,肩張りが強く,膝の張り出しも大きく,均整を破らんばかりの雄大さがみてとれます。また,火災に遭っているためいたるところにその痕跡が残り,螺髪もありません。
その製作年代は,白鳳期とも天平期とも言われていますが,ブロンズ製仏像が造られ初めて間もない頃の作品であることは間違いありません。恐らく,作品の完成度から山田寺,蟹満寺,薬師寺の順になると思われます。
表情は,奈良安居院(飛鳥寺)の飛鳥大仏とよく似た,仏頂面とても言うのでしょうか,顔つきも厳めしく見る者に緊張感を与えます。その表情が印象的でいつまでも心に残る仏の一つです。
経典には,仏様や菩薩と凡人(人間)との外見上の違いとして32相の相違点があると記されています。そのうちの一つに手足指縵網相があります。これは指と指の間にある「水かき」のような皮膜のことです。ここ蟹満寺の釈迦如来坐像の手はそれがハッキリ見えることで有名です。
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