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石川県立美術館

 内灘の 闘争知る人 知らぬ人
      ありて静かに 内灘に住む

名称 石川県立美術館
所在地 石川県金沢市出羽町
起点駅・目安時間 東京駅・4時間  金沢駅・20分
経路 バス広坂下車・徒歩5分
国宝建造物 なし 
国宝仏 なし
その他の国宝 1 色絵雉香炉
お薦め度 ★★

石川県立美術館のこと

  

   

 金沢市の中心,兼六園の脇にある県立美術館。古都金沢にあって,前田徳育会所蔵品はじめとして様々なジャンルの美術品を展示する。北陸にあっては,現代美術を扱う金沢21世紀美術館と双璧。
 なお,改修が終了し、最近再開したが、外観に変化はなく、館内1階にガラス張りの菓子工房が入り、できたてのクッキーを楽しみながらコーヒーが飲めるようになった。金沢随一のオシャレなカフェ。

工芸品1件・色絵雉香炉

 緩やかなカーブを持つ嘴は鋭く,目も前方の一点を見据える。また,黒い斑点を持つ長く伸びた尾羽はピンとはり,何かに警戒して動き出す寸前のよう。
 緑、青の輝くばかりの色彩や近代的な意匠を施されたデザインは完成度が高く,仁清の彫塑作品の中でも最高傑作の一つ。 

雌はどこに

 雌雄一つがいの雉であるが,何故か国宝指定は雄の雉だけ。雌の雉は重文に甘んじている。煌びやかな色彩に彩られた雄に比較して全体をウオルナットで統一された雌の雉は少し地味で控えめである。
 当初は雌雄一つがいとして制作されたと思われるが、その後離ればなれに。しかし、平成に入って雌雉の所有者から寄贈があり、現在は雌雄一対となり仲良く新装なった1号展示室にて常設展示されている。
 雄には真っ赤な鶏冠があり鋭い目の回りからの肉垂れも色鮮やかである。嘴のアイボリーは,現代にも通用する配色である。また,紫色の首のあたりに黒の斑点が添えられ鮮やかである。春から夏にかけての,雉が一番美しい頃をモデルとしているようである。尾羽もピンと長く伸びている。
 この一つがい,二つ並べてあらためて見てみると,番として製作した意図がよく判る。雌の色合いが実によいのである。秋の草原のような雌の色は,きらびやかな色彩の雄を一層引き立てている。一般に鳥類は雄の方が雌の気を引くためか色鮮やかであるが,仮に雌がきらびやかであれば,雄が光り輝くことがない。そのあたりのことを考慮に入れて、しかも押さえた美しさがこの雌には認められるのである。
 また,雌が首を後に曲げて,まるで雄の方を見ているような姿もすばらしい。どうして雌は、国宝に指定されていないのだろうか、謎である。仁清の作品としては、疑う余地がないと思われるのだが、やはり離れていたことが指定の事務手続きに影響したのであろうか。見方によっては,雌の方が芸術性に富むような気もするがどうだろうか。 

ひとつがい

 一つがいの鳥類の構図としては,おしどり,マガモの絵によくあるように,1羽が先に,少し遅れてもう1羽がそれに続くものが圧倒的に多い。そして、県立美術館の展示も,時計の針の中心に雄,文字盤10のあたりに雌,を配置している。すなわち、雌を前に置き,振り向かせた首の先に雄を配置しているのである。しかし、仁清は,果たしてこのように飾られることを想定して製作したのだろうか。
 雉の生態をみると,おしどりのような一つがいで行動するのではないようだが,そうなると必ずしもおしどりの構図を採用しなければならない訳ではない。雄を真ん中に置き、雌は手前に、しかし、すこし後にずらしたあたりが座りがよいのではなかろうか。時計の針の中心に雄,文字盤4のあたりに雌,ではないだろうか。
 なお、雄,雌ともの胴を水平に二つに分けられていて,中に香を焚くようになっている。背中には煙のための4つの穴が設えられている。

古都・金沢

 金沢ゆかりの小説家としては、泉鏡花、室生犀星等の名がすぐにあがるが、ここでは、吉田健一「金沢/酒宴」(講談社文芸文庫)を取り上げる。
 全く不思議な小説?である。「金沢」というそのものズバリの題名からここで取り上げてみたが,一体,この小説をこれまでのどのジャンルに組み入れたらよいのか,見方によると小説とは言えないのかも知れない。文庫本解説は,これを「ユートピア小説」に分類しているが外れてはいない。幻想的で,まるで靄が立ちこめている墨絵の世界をさまよい歩いているような,そんな気分にさせられるが,そこに時々現れる古都金沢の町の名や通りの名,あるいは店の描写などから現実に引き戻されたりするが、一体今,自分がどこにいるのか,正確には作者によりどこに居させられているのか,不思議な気分を味わうことになる。
 また,主人公と数名の登場人物との間に,ほとんど意味のない禅問答的な会話が延々とつづくが,そのような中に押し込められても,ただ,読者は,最後のどんでん返し的なものを期待して,(それは,あくまで小説というものは,いずれかのジャンルに分類されていて,かならず最後は何んらかの整理,あるいは何らかのものに収斂されるもの,との常識に支配されているにすぎないのであるが),読み続けることになる。しかし,結局,最後まで連れ回されたに過ぎないことがハッキリするのだが・・・・・・。
 果たしてこの試みが小説として成功していると言えるのかは,読み手の判断に任されるとしても,吉田の小説家としてのこれまでの評価を見る限り,必ずしも受け入れられているとは言い難いようである。
 
 なお、吉田健一は,英文学者。故吉田首相の長男。麻生太郎の伯父。

内灘に暮らす

 表題歌は、2006年度朝日歌壇、永田和宏選の年間ベストテンにとられたもの。作者は、内灘市在住の無名の歌人砂山鉄夫。
 内灘の歴史と北陸の風雪の中で確固たる意志をもった暮らしが詠まれる。
 歌は,万葉集,古今,新古今と進化(変化)し,その中で特定階級の人々が教養の一つとしていわば小道具とされた時代を経て,近時は,女流歌人を中心に和歌は恋を詠うもの,現代は,庶民の手の中,日常の例えば,卒業式や運動会,食事風景等を点景したものが中心となっている。
 そのような大きな流れの中にあって,人の生きる様を高らかに歌い上る万葉時代の主題を今に置き換えてなお秀逸。

近くに・兼六園

    

 美術館の通りを隔てて直ぐに兼六園がある。四季が変わる都度,折々の美しさが楽しめる。また隣接する金沢城公園も整然とした潔い美しさがある。こちらは無料開放されていて,市民の散策コースになっている。

                    


金沢には、兼六園の他に、浅野川、犀川二つの川を挟んで西と東に茶屋街がある。茶屋街はかつての遊郭。観光地として人を集めているのは東茶屋街。

   紅殻の 朽ちし格子に 梅雨つたう        秋雨


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