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相国寺・承天閣美術館

名称 相国寺・承天閣美術館(じょうてんかくびじゅつかん)
所在地 京都市上京区今出川通烏丸東入ル
起点駅・目安時間 京都駅・25分
経路 地下鉄烏丸線今出川下車・徒歩10分 
国宝建造物 なし
国宝仏 なし
その他の国宝 2 茶碗他
公開情報 国宝展示は不定期
お薦め度 ★★

相国寺と承天閣美術館のこと

 相国寺は,足利義満の建立になる京都五山の一つ。寺の名の相国とは宰相のことで建立者にちなんで相国寺と呼ばれるようになった。
 ここ相国寺は,五山の中では新参者であったが,南禅寺を別格に追いやり,天竜寺に次ぐ第二の地位を獲得する。
 この相国寺の静かな境内の更に奥まったところに承天閣美術館がある。2007年5月にリニューアルした美術館には,相国寺が,昨今,人気沸騰中の伊藤若冲とゆかりの深い寺であったことから,若冲関連の絵画,襖絵等が数多く収蔵されている。

                                           
                     
庫裏横の美術館専用門から入り左に折れると長い石畳が続く。                      

 外観は和風であるが中はガラスを多用した近代的なつくり。

                 

日本水墨画と相国寺

 相国寺は,この若冲に少なからざる影響を与えたと思われる中国南宋の山水画家牧谿(もっけい)の「竹林猿猴図」を所蔵している。日本では絶大な評価を得て敬愛の念を込めて「和尚」と呼ばれる牧谿の遺作は,お国元の中国にもほとんど無く日本に数点が残されているだけである。
 そしてその大部分が国宝に指定されているが,なぜかこの竹林猿猴図は国宝に指定されていない。
 それはともかくこの相国寺には、如拙、周文、小栗宗湛、万里集九らが居寓し、さらには雪舟へと続く日本水墨画の担い手、理解者、演出者をきら星のごとく輩出するのである。日本画の原点とも言える水墨画は実にこの相国寺を発祥の地とすると言っても過言ではないのである。
 それもそのはず、この相国寺はあの室町文化のパトロン足利義満から義政までが肩入れをした文花発信の寺であった。
 なお、牧谿が他に影響を与えた絵師としては,長谷川等伯,俵屋宗達の名をあげることができよう。

書跡・典籍1件・無学祖元墨跡

 無学祖元は,執権北条時宗に招かれ来日し,建長寺にて禅を教える。その後,円覚寺を創建し,禅の普及に功績を残すが、その無学祖元が長楽寺住職一翁に与えた自筆の喝語。
 一翁は,かつて宋に渡り無学祖元とともに同じ師について学んだが、この墨跡は後日来日した祖元を訪ねてきた一翁に対し,祖元が一翁の学識の深さを称えてしたためた詩。

工芸品1件・玳玻天目茶碗

 鼈甲に似た斑文と釉調があることから「玳玻(たいひ)天目茶碗」と銘が付された。玳玻の玳はウミガメの一種鼈甲の材料となるタイマイ(玳瑁)の玳,玻はガラスのことで釉薬のガラス質を示している。

 事情があって閉館した萬野美術館(その他の国宝編bT5)から,承天閣美術館が受け継いだ。国宝の民間での移動は近年では極めて異例である。 

水上勉と相国寺

 水上勉は,この相国寺で幼少期を送り、ここで禅宗の厳しい行儀作法をたたき込まれる。その割には,往年女性関係で感心できなかったが,それはさておき,この時代の経験が彼の作品をして読むものに有無を言わせない重厚感を与えている。水上勉の寺モノ,京都モノは,他を圧倒している。なかでも「五番町夕霧楼」「雁の寺」「金閣寺炎上」等は,その最たるモノであるが,やはりその中に今一つ「一休」を付け加えたい。
 一休の生涯を研究書風に仕立てたこの作品で,寺男としての経験を遺憾なく発揮するとともに,その後の学問的成果を漏れなく披瀝して読者を絶句せしめる作品に仕上がっている。数多い一休モノの中でも秀逸。

近くに・寺町通り

 この相国寺と賀茂川の間に賀茂川に沿って北西につづく寺町通りがある。洛中にあった諸寺が秀吉の命令により移転を強いられこの地に伽藍が作られた。通りは文字通り寺が並び高級住宅街のような閑静な地域であるが,その中の一つに阿弥陀寺がある。
 阿弥陀寺は,かつて信長の菩提寺があった寺であり,様々な信長に関する伝承がこの寺から発せられている。
 中でも本能寺の変で憤死した信長の遺体に関わる話しには興味深いものがある。 加藤廣「信長の棺」(文春文庫)は,信長公記の著者太田牛一を語り部としてこのあたりを素材にする歴史ミステリーである。
 エンターテインメントとして十分成功していて,一気に読ませる仕上がりである。小泉元総理の絶賛という話題性もさることながら,75歳の初作という年齢を超えた筆力にも驚かされるし,それ以上に勇気づけられる。
 しかし,本能寺と阿弥陀寺の間の「大からくり」が,腹心光秀や秀吉に知られずに構築されることは不可能であり,荒削りとの評価は避けられない。

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