国宝を訪ねて 国宝建造物編18

永保寺

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山号・寺号 虎渓山永保寺
所在地 岐阜県多治見市虎渓山町
最寄駅・目安時間 名古屋駅・40分
経路 中央線多治見駅下車・バス10分
国宝建造物 2 開山堂・観音堂
国宝仏等 なし
その他の国宝 なし
お薦め度 ★★★

虎渓山永保寺・国宝観音堂遠景

夢窓疎石が開いた奥美濃の古刹

 岐阜県多治見市の桜の名所,古虎渓公園側から,永保寺に至る裏の降り口がある。深山幽谷の趣をわずかではあるが感じさせる深い緑の中の石段をゆっくり下りてゆく。やがて木々の間から,本堂の甍が見え隠れするようになる。白濁として流れる土岐川の姿と瀬音が感ぜられるようになると,その大きく婉曲する辺りの僅かな平坦地に,優美な池を前に本堂と国宝の観音堂がひっそり佇んでいるのが見える。

 夢窓疎石作庭といわれる名勝永保寺庭園は,浄土庭園の趣を強くもつ風雅な庭であり,その中心の池には,岩肌の高みから数条の滝が音をたてて落ち込んでいる。その池は,遠い天空から眺めると「心」という字に読めるという。池の中程の太鼓橋を渡ると,観音堂がある。その反り返った屋根の優雅な風姿を眺めながら,滝の流れ出る岩山に登ると,緑の苔むした観音堂の檜皮葺の屋根が見える。残念ながら,池の「心」は確認できなかった。

 もう一つの国宝開山堂は,開祖夢窓疎石を祀りながら池の奥,深い緑に抱かれひっそりと佇んでいる。雨の季節には,横を流れる渓流も涼やかである。

 白砂が敷き詰められた本堂前庭は,毎日雲水により掃き浄められ,ここにも流れがしつらえてある。深閑とした森の他,音を立てて流れる一級河川も取り込んだ壮麗な寺である。

池に浮かぶ太鼓橋
開山堂脇を流れる渓流の先には青銅色の土岐川の流れが。
国宝開山堂は,境内の奥まったあたりにひっそりと佇む。
太鼓橋のたもとの国宝観音堂

アライグマの宿

 しかし,今は野生化したアライグマが国宝の屋根を囓り,営巣している。国宝建造物を住居にする贅沢な闖入者を追い出す,という新たな修行が,雲水に課せられることとなった。

銘酒・三千桜

 この寺には,多くの文人墨客が訪れていて,その足跡が残されているが,中でも立原正秋は,この寺を絶賛している。その際,口にした銘酒「三千桜」は,「食」に極めてうるさい彼のお気に入りの一つになったようである。
 また,山形酒田の土門拳記念館で,土門の手になるこの寺の風景写真に接したことがある。
 なお,2003年夏の火災により,本堂,庫裏等が全焼し,現在,再建中であるが,国宝の2棟は,難を免れた。
 ちなみに,くだんのアライグマらは,ただ驚いただけで無事であったようだ。

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