国宝を訪ねて 国宝建造物編85

住吉大社

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   升買て 分別かはる 月見かな

芭蕉
名称 住吉大社
所在 大阪市住吉区住吉
起点駅・目安時間 新大阪駅・1時間
経路 地下鉄御堂筋線なんば乗換
なんばから南海本線住吉大社駅すぐ
国宝建造物 1 本殿
国宝彫刻等 なし
その他の国宝 なし
お薦め度 ★★★


国宝・住吉大社本殿

航行安全の神

 海上安全守護の神様であり,全国に約2000社分布すると言われる住吉神社の総社である。
 大阪では,「住吉さん」と呼ばれ親しまれている。

 この住吉さんには,第一本殿から第四本殿まで全部で四つの本殿があり,そこに底筒男命,中筒男命,表筒男命の住吉三神と神功皇后の四柱がこの順に祀られている。

                   
                   

住吉造

 一般に神社の建築様式には,切り妻,平入りの神明造,同じく切り妻であるが,妻入りの大社造等大きく八様式に分類できるが,この住吉神社は,いわゆる住吉造と呼ばれる建築様式で,入り口が妻側にある点で大社造と類似しているが,その入り口が中央に設えてある点と高欄付きの回廊がなく,廻りは玉垣,瑞垣で囲まれている点等で大社造りとは異なる。
 さらに,神明造,大社造が白木造りであるのに対し住吉造は外部の柱や梁は丹塗り,板壁は貝殻を粉末にした胡粉塗りである点にも特色がある。
 また,間口は2間,奥行き4間という長方形である点もその特色の一つである。
 屋根には置き千木と5本の堅魚木が載せられている。

意外や和歌の神

 海の神を祀る全国の住吉神社の総社であるが,この住吉さんが和歌の神様でもあることはあまり知られていない。
 住吉大社が和歌の神であることを素材とした謡曲に「雨月」がある。
 住吉大社に向かう西行が,とある田舎屋で一夜の宿を求めるが,そこでは,その陋屋の屋根を葺くかどうかにつき,萱に落ちる雨音を聞きたい翁と月夜を眺めたい媼が争っている最中。西行の宿の求めに対して下の句を得た翁が,上の句をうまくつなげたら宿を貸してもよいと言いだし,西行が,即座に両者の意見を採り入れた上の句をしたためる,といったもの。

 他には源氏物語「澪つくし」を素材とした「住吉詣」も住吉さんが和歌の神であることをうかがわせる。

宝の市

 住吉さんでは,毎年10月17日に「宝の市」として神事が催される。住吉さんで売っている升を使うと富が貯まるということで,宝の市と呼ぶのだが,体調不良をおして,大坂在住の二人の弟子の争いを仲裁するために大坂に来た芭蕉は,この宝の市で升を買った。
 升を買ってしまった芭蕉は,所帯じみたことをしてしまった,これでは月見なんかするガラではないと,招待されていた月見の宴を辞退してしまう。
 
 表題句は,その際,月見会に誘われたが,それを丁重に断るための挨拶句である。このまま芭蕉はこの地で病床に伏す。

旅に病んで 夢は枯野を かけ廻る  芭蕉

 一ケ月後辞世の句を残しこの地でこの世を去る。享年51才。これほどまでの名声をほとんど享受することのない死であった。

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